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カンボジア・シェムリアップでの日々の生活。 GIOS PURE FLATとPENTAXと柔道クラブと・・・
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すっかり当初の目的を忘れ、道に迷ってしまった前回。

プノンクーレンに行くという事を達成する為、ちゃんと調べる事にした。
すると、どうやらバンテアイ・スレイの近くに看板があるらしい。

まぁ普通そうだよな。ついつい看板も何もない所で曲がってしまうからあんなことになる。

2008年12月7日
「アンコールワット ハーフマラソン」が盛大に行われていた裏で、一人プノンクーレンへ向けて自転車を漕ぎ出した。遺跡に行く時、いつもは早起きするのだが、前日朝の3時頃まで飲んでいたせいで、起きた時は9時を回っていた。

二日酔いで体が重い。やる気も出ない。
普段の半分くらいの速度で進む。

シェムリアップから約40km。
バンテアイ・スレイの分かれ道に12時頃到着。ここまで2時間も掛かった。
分かれ道に看板があると聞いてたけど、クメール文字で書かれていた。
当然読めない。俺には意味ね~な、これ。
IMGP3459.JPG

酒がまだ抜けてない。
近くの茶屋で休憩。
コーラを買い、椅子に腰掛け休んでいた時、足もとに一匹の黒い虫が来た。
あっクワガタだ!と思い手を伸ばしかけて気づいた。

IMGP3454.JPG




サソリだった。
あぶね~(-_-;)

珍しかったのでまじまじと見ていたら、



IMGP3455.jpg






子供が来てさらって行った。
多分食卓に並ぶのだろう。
嬉々として持ち帰って行った。

ちなみに後ろに見えるオレンジ色のクーラーボックスに俺は腰かけていた。
ほんとにすぐ足もとまで来ていた。

サソリに興奮したせいで、二日酔いもずいぶん良くなった。
気を取り直して進む。目的地までまだ20km超ある。





30分ほど進むとまた看板を発見。IMGP3457.jpg
今度はアルファベットも書いてある。

ここまで2時間半。確かに疲れてる。
でもなんだ以外に近いじゃん、と軽く考えていた。

料金所に到着。
入場料$20をとられた。高ぇ~。
これだけキツイ思いして来て、金まで盗られたからには、$20以上に楽しんでやろう、この時はまだそう思っていた。

登山道へ入る。段々とギアを軽くして行く。


20分程登って判った。自転車で坂道登るのは大変。IMGP3458.jpg

見ると大した傾斜ではない。
でも道が悪いせいもあり、タイヤが滑って、かなりロスをした走りになる。
これが体力的にも精神的にもきつい。
無駄になってると思うと心が削られていく。

時々バイクや車が快適そうに追い抜いて行く。
しかも、じろじろと見て行く。疲れのせいもあり段々腹も立ってきていた。

1時間程登った時、休憩する為自転車を降りようとして転んでしまった。
疲れで足が震えていた。

この後から休憩のスパンが短くなっていく。
逆に休憩の時間は長くなっていった。

頂上まであとどれだけあるのか。水も残り少ない。やる気もかなり少なくなっていた。

値段の分は楽しめそうにないな~と思っていたら、一人のおばちゃんがバイクで上から降りて来て、俺の横に停まった。 なんだ?と持ったら突然バナナをくれた。
良く判らなかったが多分、さっき追い抜いた中にいたのだろう。わざわざ戻ってきてバナナを届けてくれたらしい。

助かった。人間弱ってると悪い方にばかり考える。
たったバナナ1本だったけど、やる気は取り戻した。
とにかく頂上まで行こう、自転車にまたがり漕ぎ出した。

後ろでおばちゃんが何か言ってたが、何を言ってるか判らなかったので、振り返りもせずただ手をあげてお礼の代わりにした。

IMGP3459-2.jpg40分ほど登った。
水も底をついた。バナナもほとんど消費してしまった。でかい岩があるところで休憩しようとそこに向かうもフラフラでうまく進まない。
もうやべ~。

やっと辿り着きカメラを構えていたら、上から降りて来たいかにも観光客らしい車の一台が停まった。窓が開き、アメリカ人ぽい金髪の顔が話しかけて来る。

「頂上はもうすぐだ、がんばれ!」

これは効いた。がんばろうと思ったね。

約20分。
ついにプノンクーレンの遺跡部分に到着。
まっ先に水を買いに行き、その場で1リットル飲み干した。IMGP3460.jpg

案内板を見ると滝があるらしい。
写真を取らねば。

フラフラの体で滝まで行き、ここまで来た証拠を残そうと自転車を担ぎ滝の近くへ下りた。

IMGP3461.jpgそこにいたカンボジア人達が、
「あっちにリンガがある!」
だの
「むこうに寺がある!」
だなどと言ってくる。



しかし全然行くが気がしなかった。
ここからまた家に帰るのかと思うと、もう足が動かなかった。

結局滝のそばで30分ほど休憩してそのまま下山した。
たっぷりの休憩と水分を補給したおかげで帰りの力は溜め込むことができた。

しかしペースは上がらない。
バンテアイ・スレイ付近に着いた頃、日没を迎えた。
カンボジアに街灯があるところは少ない。
と言うより中心地以外はないと言った方がいい。

まっ暗闇の中自転車を漕ぐ。
ここは道が悪く途中穴があったりするので、何度もそれにはまった。

家に帰るまで、もう自転車じゃぁ二度とプノンクーレンには行かねぇ、そればっかり考えていた。


おわり

次回予告:ちゃうすれい・びぼーる?







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前回プノンクーレンへは辿り着けなかったが、道に迷いかけた。

これはいけると思い今度は自転車で行くことにした。

家から約40分程で前回の分かれ道に来た。
今度はメインであろう道へ進む。

そして10分程行ったところで脇道を発見!
迷わず脇道へと入る。

今回一応の目標はプノンクーレン。方角は北東。
この時まっすぐに東へ向かっていた。

道はだんだんと険しくなって行く。
途中で北に向かえば目標の方へ行くだろうといつものように思っていた。

しかし、行けども行けども道はまっすぐ。
これ一本しかない。しかも誰も通らないし、民家もない。
まぁ、とにかく進む。

1時間半程走ったところで小高い山が見えて来た。
あれか? でも方角が違う。
IMGP3223.jpg
この景色にも飽きて来たので、ひとまず小高い山へ行ってみる事にした。
山へ近づくに連れて民家も増えてきた。

山の麓へ行くと、じいさまと女の子がいた。

この山は何て言うの?女の子に聞く。
「・・・プノン・ボック。」
う~む警戒されている。そしてやはり違う山らしい。

プノンクーレンに行きたいんだけど。
「・・・・・右。」

右ね。道、こっちしかないしね。
お礼を言い、右に進む。

1時間程進む。さっきの山からは遠ざかって来た。

しばらく進むと学校やお寺が見えてきた。
川で遊ぶ子供たちが、こっちへ手を振っている。
プノンクーレンに行きたいんだけど。子供たちに聞く。
「右!」
右ね。
先を見ると緩やかにカーブしている。
いやな予感。でも右へ進む。

昼近くになっていた。日差しがつらい。
あまり脇道もないし、少しうつむき気味に走っていた。
それがいけなかった。やはり周りは見るべきだ。
なぜならさっき遠ざかったはずの小高い山が目の前にあった。どうやら反対側へ来たらしい。
小さな川で魚を捕ってる、若い兄ちゃんに道を聞く。

プノンクーレンに行きたいんだけど。
「右。」
右ね。
先を見ると緩やかにカーブしている。
まじかよ!完全に戻る方向じゃねぇか。

しかし道はこれしかない。
引き返すのも嫌なので、先に進むことにした。

しばらく行くと北東方向への脇道を発見。
迷わず脇道へ入る。それを何度か繰り返す。
適当に進んでいるわけではなく、北東への道を選んで進んでいたつもりだった。
山から遠ざかっては行ってるようだった。

しばらく行くとカーブしている。嫌な予感。前を見ると山の方へ向いている。

LOSTした。

そう思った。大体の現在地とどっちを向いてるかしか分からない。
家の方角は判っている、でも道が分からない。

急に楽しくなって来た。変なスイッチが入ったらしい。
せっかく道に迷ったので、体力の続く限りこの状況を楽しまなければいけない、そう思っていた。

それから約3時間、ただひたすら自転車を漕いだ。
自分がどこに進んでいるのか判らない。
それはかなりエキサイティングだった。

しかし楽しい時間は長続きしない。
足が痛くなって来たので、道端の露店で休憩。
それが失敗だった。

店のおばちゃんが
「どこから来たの?」
ん?シェムリアップだよ。
「じゃこっちね。20分も行ったら広い道へでるわ。」
ついに自分の正確な現在地が判ってしまった。


帰り道。
道が判っていると全く魅力がない。ただただ疲れた体で漕いでいた。

しかしついに道に迷った!
今日は楽しかった。いい一日だった。
そう思いながら帰宅。


家に着いて思い出した。
目的地はプノンクーレンだった事を。


つづく。

実は結構前から病気を患っている。

病名は「道に迷いたい症候群」

症状は、脇道があると入らずにはおれない、地図を持たず計画も立てずに突然遠出する、少額しか持たずに外出する等が挙げられる。

と言うのも、実は今まで道に迷った事がない。
(人生と言う名の道はとっくにLOSTしてるけど・・・。)

日本なら標識も読めるし、言葉も通じるし、現金などほとんどなくても家には帰る事ができる。
日本にいて道に迷う気がしない。

しかし海外はそうはいかない。
言葉も文字も分からないし、現金がないとどうにもならない。

それでも今までどうにかなって来た。
仕事やプライベートで海外に出た時も地図などなくても道に迷った事などない。
そのせいかもしれないが、海外に出る度に道に迷いたくなり、前述のような発作に度々見舞われる。

そしてこっちの道がまた発作を誘いやすいんだよね。IMGP3325.JPG
標識もなければ、目印もない。
太陽と草と木と道。

実にシンプル。

そして今回やっと道に迷う事に成功した?話。

とある日曜日。
プノンクーレンに行こうと思い立った。
シェムリアップから北東へ約50km。山の中に遺跡がある。
車なら2時間くらいのところってだけの情報をもとに出発。

最初のトライはバイクだった。
とりあえず一度会社で見た地図の記憶を頼りに北東へ進む。

スラ・スランを過ぎてしばらく進むと、バンテア・スレイへ行く道が二手に分かれていた。

当然細い道の方へ進む。
なんとなくこっちでは無い事は判っていたけど。

さらに2時間ほど適当に進んだとき、それらしい岩山を発見した。
結構でかい。
カメラの望遠で山の頂上を尾根伝いに見て行くと寺院らしきものの屋根が見える。
しかし登るところがない。
周りは岩ばかりの絶壁。

さらに回り込んでみた。
しかし登るところがない。ここではないのか?
IMGP2680.jpg
良く考えたら、プノンクーレンは観光地。
道が分からないはずがない。

と言う事はここではない、という考えに至った。

この頃はまだ雨季だったので道はぬかるみ、今にも雨が降りそうな雲行き。
今日は引き返すことにした。

これまた感を頼りに進み、多分このあたりだろと思ったところで予定通りバンテアイ・スレイへ着いた。
それが朝の9時頃。

服は泥でぐちゃぐちゃになっていた。

月曜日。
いつものところで酒を飲みながら話す。
いや~昨日道に迷ってね~、目的地に着けなかったよ、なんて。

でも心の中では全然道に迷った気はしてなかった。


つづく。








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