Link by RainDrop & Frank sozai
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カンボジア・シェムリアップでの日々の生活。
GIOS PURE FLATとPENTAXと柔道クラブと・・・
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とある土曜日。
コーケーへ行く為に、またバイクが壊れたら笑えないと思い、今度は自分で修理しようと思いバイク屋へ行った。
工具を借り、カバーを外しクラッチプレートを見てみると、中はボロボロだった。
これだけ削れてると日本ならすぐに交換する。確かに無理をさせすぎた。
店のおやじに聞くと、前回はディスクを替えただけでそこは見なかったという。さらにその部品はシェムリアップには新しい物はなく、プノンペンまで行かないと行けないらしい。
なんとかならない?
「う~ん・・ま、やってみる。2時間掛かるけど大丈夫か?」
2時間で直るのか?大丈夫か?
何度も聞いたが任せとけというし、自分じゃこれ以上何もできないのでここは任せてみた。
おやじが誰かに電話する、違うおやじが来る。部品を見ながらまた電話、違うおやじ。
大丈夫か、ほんとに?
良く見ると手にはそれぞれ違う工具を持っている。良くわからんが分担があるらしい。
一人のオヤジがグラインダーでプレートを削り、別のオヤジがスプリングに焼きを入れ、また別のオヤジとその息子が洗車をして、と見てる限りでおかしい所は何もない。
約2時間後、出来上がった。見た目は大丈夫っぽい・・。
試乗する。
お~いい感じ!
いける。これならコーケーまでは持ちそうだ。
明日は日曜日。ついにコーケーへ行く時が来た。
つづく
次回予告:「教訓5~次こそはコーケーに着きます。」
コーケーへ行く為に、またバイクが壊れたら笑えないと思い、今度は自分で修理しようと思いバイク屋へ行った。
工具を借り、カバーを外しクラッチプレートを見てみると、中はボロボロだった。
これだけ削れてると日本ならすぐに交換する。確かに無理をさせすぎた。
店のおやじに聞くと、前回はディスクを替えただけでそこは見なかったという。さらにその部品はシェムリアップには新しい物はなく、プノンペンまで行かないと行けないらしい。
なんとかならない?
「う~ん・・ま、やってみる。2時間掛かるけど大丈夫か?」
2時間で直るのか?大丈夫か?
何度も聞いたが任せとけというし、自分じゃこれ以上何もできないのでここは任せてみた。
おやじが誰かに電話する、違うおやじが来る。部品を見ながらまた電話、違うおやじ。
大丈夫か、ほんとに?
良く見ると手にはそれぞれ違う工具を持っている。良くわからんが分担があるらしい。
一人のオヤジがグラインダーでプレートを削り、別のオヤジがスプリングに焼きを入れ、また別のオヤジとその息子が洗車をして、と見てる限りでおかしい所は何もない。
約2時間後、出来上がった。見た目は大丈夫っぽい・・。
試乗する。
お~いい感じ!
いける。これならコーケーまでは持ちそうだ。
明日は日曜日。ついにコーケーへ行く時が来た。
つづく
次回予告:「教訓5~次こそはコーケーに着きます。」
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バイクを置いて来てしまったので、取りに行かねばならない。
あれから3週間経っていた。
たまたま、事情を知っていたカンボジア人の日本語ガイドをやってる男の子が、休みで暇だから一緒に行ってくれると言う。心強い。
事務所で待ち合わせて、彼のバイクでピックアップトラック乗り場へ行く。
こちらでは普通の車や、バン、トラックがバスやタクシーの代わりをやっている。
あちらこちらでトラックやバンに人が乗り込んでいる。
しかし、コーケーの近くまで行く車は数が少ないらしい。
国道沿いを南へ下り、町はずれの方に一台停まっていたピックアップトラックがその街まで行くという。
交渉すると、行って、バイクを取って戻ってきて$60。高いけど仕方ない。
おそらく多めに取られたのだろう、俺と彼は荷台ではなくエアコンの効く車内に乗ることになった。
5人乗りの車に、運転手、助手席には年寄りの尼さん、後部座席に俺と彼と、子供を抱いたおばあさんと子供。
荷台には米やら水やらの荷物の他に6人位乗っている。日本なら警察に捕まる人数だ。
荷台の彼らは、皆それぞれに飲み物やらパンやらバナナやらを持っている。荷台も気持ち良さそうだな。
走り始めて10分程で車が停まる。休憩には少し早いなと思っていたら、また人が乗り始めた。
振り返ると、荷台はえらいことになっていた。
サスペンションが底を打つ。それでも運転手は何食わぬ顔で運転している。いつもこんな感じなのだろう。
1時間程で、ベンメリアへの分かれ道があるドムデックへ到着。数人が下りて行く。いくらかの米や水も下ろされた。車が軽くなったのが判る。
ここから先、途中でどんどん人が下りて行く。もう乗ってくる人も物もない。
目的地に着いた頃には、運転手と俺と彼しか乗っていなかった。
町中のバイク屋を探す。小さな町なので探すのに苦労はしない。
覚えていたのか、店のオヤジは顔を見るなり、店の裏手を指差した。
そこには雨に打たれ野ざらしにされたバイクが停まっていた。やはり修理できなかったらしい。
その辺にいた人にも手伝ってもらい、荷台へバイクを積む。
後は帰るだけ。せっかくなので町を少し見て行こうと言おうとしたら、皆勝手にどっかに行っていた。
たばこと水、それと名前も知らない果物を一つだけ買った。一緒に来た彼は大量のバナナを持っている。
運転手も大量のバナナを買って来た。二人で勧めてくるので、仕方なく1本食べたらすごく甘くてうまかった。
3人でバナナを食べ、ラジオから流れてくる音楽を聴きながら帰る。帰りは荷物も人も乗って来なかった。
バイクが直ったらまたコーケーにトライしよう。帰り道、車の中で外を見ながらそう思っていた。
つづく。
次回予告:「教訓4・・・ついにコーケーへ」
あれから3週間経っていた。
たまたま、事情を知っていたカンボジア人の日本語ガイドをやってる男の子が、休みで暇だから一緒に行ってくれると言う。心強い。
事務所で待ち合わせて、彼のバイクでピックアップトラック乗り場へ行く。
こちらでは普通の車や、バン、トラックがバスやタクシーの代わりをやっている。
あちらこちらでトラックやバンに人が乗り込んでいる。
しかし、コーケーの近くまで行く車は数が少ないらしい。
国道沿いを南へ下り、町はずれの方に一台停まっていたピックアップトラックがその街まで行くという。
交渉すると、行って、バイクを取って戻ってきて$60。高いけど仕方ない。
おそらく多めに取られたのだろう、俺と彼は荷台ではなくエアコンの効く車内に乗ることになった。
5人乗りの車に、運転手、助手席には年寄りの尼さん、後部座席に俺と彼と、子供を抱いたおばあさんと子供。
荷台には米やら水やらの荷物の他に6人位乗っている。日本なら警察に捕まる人数だ。
荷台の彼らは、皆それぞれに飲み物やらパンやらバナナやらを持っている。荷台も気持ち良さそうだな。
走り始めて10分程で車が停まる。休憩には少し早いなと思っていたら、また人が乗り始めた。
振り返ると、荷台はえらいことになっていた。
サスペンションが底を打つ。それでも運転手は何食わぬ顔で運転している。いつもこんな感じなのだろう。
1時間程で、ベンメリアへの分かれ道があるドムデックへ到着。数人が下りて行く。いくらかの米や水も下ろされた。車が軽くなったのが判る。
ここから先、途中でどんどん人が下りて行く。もう乗ってくる人も物もない。
目的地に着いた頃には、運転手と俺と彼しか乗っていなかった。
町中のバイク屋を探す。小さな町なので探すのに苦労はしない。
覚えていたのか、店のオヤジは顔を見るなり、店の裏手を指差した。
そこには雨に打たれ野ざらしにされたバイクが停まっていた。やはり修理できなかったらしい。
その辺にいた人にも手伝ってもらい、荷台へバイクを積む。
後は帰るだけ。せっかくなので町を少し見て行こうと言おうとしたら、皆勝手にどっかに行っていた。
たばこと水、それと名前も知らない果物を一つだけ買った。一緒に来た彼は大量のバナナを持っている。
運転手も大量のバナナを買って来た。二人で勧めてくるので、仕方なく1本食べたらすごく甘くてうまかった。
3人でバナナを食べ、ラジオから流れてくる音楽を聴きながら帰る。帰りは荷物も人も乗って来なかった。
バイクが直ったらまたコーケーにトライしよう。帰り道、車の中で外を見ながらそう思っていた。
つづく。
次回予告:「教訓4・・・ついにコーケーへ」
今日も文と写真は関係ありません。
バイクも無事に直ったので、次の日曜日、今度はコーケー遺跡だけに行くことにした。
この一週間で情報収集をし、道路状況や周辺の町について以前よりは多少の知識を得ていた。
準備は万端のつもりだった。
今回は家の近くでガソリンを満タンにし、出発。
時刻は前と同じAM6:00。
1時間20分後、料金所へ到着。休憩も取らずに来た。
料金所のオヤジが覚えていたらしく、話しかけてくる。
「そのバイクはいくらだった? 譲ってくれないか?」
しまいには「俺のカブと交換してくれ。」
するわけないだろ。
料金を払いコーケーへと進む。
途中の小さな町で休憩をとる。
気がつけば朝食も食べていない。屋台でミーチャー(焼きそば)を頼んだ。
朝食をとっている間、観光客らしき車が通り過ぎて行く。
朝食を済ませ、先を急ぐ。
街を出て、20km位だったろうか、またバイクに異変が起きた。
急にリアタイアが横に滑りだした。
パンク?
止まってみてみると、見事にタイアが潰れていた。
事前の情報収集でこの先何もない事が判っているので、さっきの町まで引き返すことにした。
パンクしているのでゆっくりとしたスピードで戻る。
5km位進んだ時、またバイクに異変が起きた。
なんと修理したばっかりのクラッチが滑り出した。
パンクしているせいで余計に負荷が掛かったのだろう、たちまちスピードが出なくなる。
400mも進まないうちに全く進まなくなってしまった。
街まであと15km以上はある。
しかしバイクを置いて行くわけにもいかない。
灼熱の炎天下。パンクしたバイクを押すことになった。
エンジンは動く。けど走らない。捨てて行こうかとも思ったが、捨てきれなかった。1時間ほど押した。持ってきた水も残り少ない。アスファルトの照り返しが肌を焼く。でも前に進む。
さらに30分。
バイクを止め、その影でたばこを吸おうとしたら、汗でヨレヨレになっていた。
アスファルトに並べ乾かす。さすが南国、2・3分でカリカリになった。
パンクしたタイアを見てみる。
パンクではなく、空気を入れるバルブがちぎれて無くなっていた。
街まで行ってもダメかもしれない。
でもここにじっとしてるわけにもいかない。
諦めてまた押し始めた。
さらに30分。
背後でバイクの音がした。こっちに向かってきてる!
肉眼でまだ2cm位の大きさにしか見えなかったけど、手を振った。
気づいたのかどうか判らないが淡い期待を抱き、ただ待っていた。
若い兄ちゃんだった。カンボジア人特有の人懐っこい笑顔で寄ってくる。
どうやら近所の村人らしく英語は通じない。でも状況は伝わった様だ。
バイクをじっと見ていたかと思ったら、突然奇声をあげて藪の中に入って行った。
だめかも知れない。
そう思ったけど、しばらく待つことにした。
たばこを2本ほど吸い終わった頃、藪の中から鼻歌が聞こえて来た。戻って来たようだ。
藪から出て来た彼は、手に二本の長い蔓を持っていた。
なるほどね。これを取りに行ってくれたんだ。
蔓を器用にバイクに結び始める。反対側を自分のバイクに結んだ。
言葉は通じないが何をしたいかはわかる。
出発の合図はアイコンタクトだった。
快適。
彼のHONDA DREAMに引かれ進み始めたバイクはとても心地よかった。
汗が一気に引いて行く。
この状況が面白かったので、牽引されながら写真を撮ろうとカメラの電源を入れる。が入らない。
電池切れ。
行かなくて良かった。全然準備万端じゃなかった。
兄ちゃんは鼻歌を歌ってる。周りには何もない。何でか解らないが楽しくてたまらなくなり、大声で笑っていた。
途中何度か、蔓が切れたり、パンクしているのでまっすぐ進まず藪に突っ込んだりと色々あったが、何とか街に到着。
スクーター以外も修理出来るらしい、バイク屋まで連れて行ってくれた。
お礼に数ドル払う。ドル札を握りしめ彼は笑顔で消えていく。
バイク屋と話をする。が、どうやらすぐには修理できないと言う。
トラックを探したが今日は全部出てしまったらしい。結局置いて行くことになった。
シェムリアップまであと60km。
バイタクを捕まえて帰る事にした。
3人に断られた。理由は遠いから。そりゃそうだよな。
4人目のオヤジはちょうどシェムリアップに用事があるので乗せてくれるという。
これで家まで帰れるはずだった。
もう間もなくベンメリアへの分かれ道というところまで来た時、またまた、バイクに異変が起きた。
突然パワーがなくなる。なんだ?
タンク周辺を指差しながら、オヤジが言う。「オッミエン。」 ガス欠らしい。
カンボジアでは道端の屋台でガソリンを売っている。そこまで、オヤジと一緒にバイクを押すことになった。
ついて無い時はこんなもんだ。
AM6:00に出たのに、シェムリアップに着いた頃は夕方だった。
コーケーまでの道のりは遠い。
つづく
バイクも無事に直ったので、次の日曜日、今度はコーケー遺跡だけに行くことにした。
この一週間で情報収集をし、道路状況や周辺の町について以前よりは多少の知識を得ていた。
準備は万端のつもりだった。
今回は家の近くでガソリンを満タンにし、出発。
時刻は前と同じAM6:00。
1時間20分後、料金所へ到着。休憩も取らずに来た。
料金所のオヤジが覚えていたらしく、話しかけてくる。
「そのバイクはいくらだった? 譲ってくれないか?」
しまいには「俺のカブと交換してくれ。」
するわけないだろ。
料金を払いコーケーへと進む。
途中の小さな町で休憩をとる。
気がつけば朝食も食べていない。屋台でミーチャー(焼きそば)を頼んだ。
朝食をとっている間、観光客らしき車が通り過ぎて行く。
朝食を済ませ、先を急ぐ。
街を出て、20km位だったろうか、またバイクに異変が起きた。
急にリアタイアが横に滑りだした。
パンク?
止まってみてみると、見事にタイアが潰れていた。
事前の情報収集でこの先何もない事が判っているので、さっきの町まで引き返すことにした。
パンクしているのでゆっくりとしたスピードで戻る。
5km位進んだ時、またバイクに異変が起きた。
なんと修理したばっかりのクラッチが滑り出した。
パンクしているせいで余計に負荷が掛かったのだろう、たちまちスピードが出なくなる。
400mも進まないうちに全く進まなくなってしまった。
街まであと15km以上はある。
しかしバイクを置いて行くわけにもいかない。
灼熱の炎天下。パンクしたバイクを押すことになった。
エンジンは動く。けど走らない。捨てて行こうかとも思ったが、捨てきれなかった。1時間ほど押した。持ってきた水も残り少ない。アスファルトの照り返しが肌を焼く。でも前に進む。
さらに30分。
バイクを止め、その影でたばこを吸おうとしたら、汗でヨレヨレになっていた。
アスファルトに並べ乾かす。さすが南国、2・3分でカリカリになった。
パンクしたタイアを見てみる。
パンクではなく、空気を入れるバルブがちぎれて無くなっていた。
街まで行ってもダメかもしれない。
でもここにじっとしてるわけにもいかない。
諦めてまた押し始めた。
さらに30分。
背後でバイクの音がした。こっちに向かってきてる!
肉眼でまだ2cm位の大きさにしか見えなかったけど、手を振った。
気づいたのかどうか判らないが淡い期待を抱き、ただ待っていた。
若い兄ちゃんだった。カンボジア人特有の人懐っこい笑顔で寄ってくる。
どうやら近所の村人らしく英語は通じない。でも状況は伝わった様だ。
バイクをじっと見ていたかと思ったら、突然奇声をあげて藪の中に入って行った。
だめかも知れない。
そう思ったけど、しばらく待つことにした。
たばこを2本ほど吸い終わった頃、藪の中から鼻歌が聞こえて来た。戻って来たようだ。
藪から出て来た彼は、手に二本の長い蔓を持っていた。
なるほどね。これを取りに行ってくれたんだ。
蔓を器用にバイクに結び始める。反対側を自分のバイクに結んだ。
言葉は通じないが何をしたいかはわかる。
出発の合図はアイコンタクトだった。
快適。
彼のHONDA DREAMに引かれ進み始めたバイクはとても心地よかった。
汗が一気に引いて行く。
この状況が面白かったので、牽引されながら写真を撮ろうとカメラの電源を入れる。が入らない。
電池切れ。
行かなくて良かった。全然準備万端じゃなかった。
兄ちゃんは鼻歌を歌ってる。周りには何もない。何でか解らないが楽しくてたまらなくなり、大声で笑っていた。
途中何度か、蔓が切れたり、パンクしているのでまっすぐ進まず藪に突っ込んだりと色々あったが、何とか街に到着。
スクーター以外も修理出来るらしい、バイク屋まで連れて行ってくれた。
お礼に数ドル払う。ドル札を握りしめ彼は笑顔で消えていく。
バイク屋と話をする。が、どうやらすぐには修理できないと言う。
トラックを探したが今日は全部出てしまったらしい。結局置いて行くことになった。
シェムリアップまであと60km。
バイタクを捕まえて帰る事にした。
3人に断られた。理由は遠いから。そりゃそうだよな。
4人目のオヤジはちょうどシェムリアップに用事があるので乗せてくれるという。
これで家まで帰れるはずだった。
もう間もなくベンメリアへの分かれ道というところまで来た時、またまた、バイクに異変が起きた。
突然パワーがなくなる。なんだ?
タンク周辺を指差しながら、オヤジが言う。「オッミエン。」 ガス欠らしい。
カンボジアでは道端の屋台でガソリンを売っている。そこまで、オヤジと一緒にバイクを押すことになった。
ついて無い時はこんなもんだ。
AM6:00に出たのに、シェムリアップに着いた頃は夕方だった。
コーケーまでの道のりは遠い。
つづく